山本能楽堂の山本さんに能と言う
芸能文化を教えて頂き、その三段
今日は、能の音楽についてです。
神前式や神道の神社の神事には、
雅楽と呼ばれる、笙、篳篥(ひちりき)
、竜笛(りゅうてき)の三管が有名な
楽器ですが、能は、また少し違い
ます。能の音楽は、謡(うたい)
と囃子(はやし)で構成されて
います。
能の台詞は「謡」と呼ばれ、
室町期以前の古い日本語で書か
れているため、現代人にはわか
りづらいと思われます。しかし
、言葉がわからなくても、能面
の表情や装束の取り合わせを見
て、また能役者の謡の声を聞い
て、物語のムードを推測し、能
を観賞することができます。
能の楽器の演奏は「囃子(は
やし)」といい、笛・小鼓・
大鼓・太鼓の四つの楽器から成
り立っています。三百年以上前に作られ、現在も現役で使われている楽器が
たくさんあります。
能には、西洋音楽のような絶対音階はなく、能の謡の音の高さは毎回
異なります。四つの楽器も同じく絶対音階がなく、メロディーよりも
リズムをとるために用いられています。
笛は竹でできており、わざと調律をせず不安定
な音で、一本、一本音程がことなります。
小鼓は子馬のお腹からとった柔かい皮で作られ、
低い音を出し、湿気を好み、唾液などで常に
微調整が必要です。
大鼓は、小鼓とは正反対で、馬のお尻の堅い皮
でできており、開演の数時間前から炭火で乾燥し、
甲高い音を出します。
太鼓は牛の皮で作られ、二本の撥で打ちます。
打楽器である小鼓、大鼓と太鼓は、「よーー」などの「掛け声」によって、
お互いに確認し、間合いを取り、演奏を確認します。
他の舞台芸能と違って、能にはリハーサルがなく、その代わりに
「申し合わせ」と言われる打合せを本番の前一回だけ行います。
それは、一期一会のパフォーマンスとして、本番で芸と芸のぶつかり合い
による表現を大切にし、気泊の強さを表現してきたからで、これは、能が
芸能として六百五十年以上続いている理由の一つとされています。
「申し合わせ」と言うには、そのまま英語にもなり日本文化として
海外に伝わっています。一期一会の本番での芸のぶつかり合い
と言うのは、緊張感も高まりすごいことだと思います。
奥深いです。
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