2014年5月24日土曜日

山本能楽堂に教えて頂く能 その2 能の面

昨日の能の役籍(パート)のお話        
に続いて、今日は、能面の不思議
です。能面について教えて頂いた
ものを書きます。

能は仮面劇として知られています。
能面は無表情だとよくいわれます
が、それは間違った表現で、実際
は面を上下に傾かせることで様々     

に表情が変化し、喜びや悲しみを
表現することができます。

能面師は能面を非常に大切に扱い
ます。能面は、能のいのちそのも
だからです。シテは、能面を顔
につける前に、面に対して必ず
一礼をします。
それは、能面に宿る霊、そして
能面を大事に使ってくださった
先祖たちに対する感謝の気持ちを
表しています。能面の種類は細か      
わけると、二百種類以上になる
と言われていますが、大きく分け
と翁、尉、鬼神、怨霊、男、女
の六種類にわけることができます

仮面に霊が宿り、演じる役籍が、
その面と共に、演じ、舞う神秘は、
すごいです。                       

翁の面を見ていると、あのジブリ映
画「千と千尋の神隠し」を思いだす。
映画の中では、川の神様が、ヘドロ
になりお風呂にやってきて、主人公
にヘドロの栓を抜いてもらい、川の
人工的な汚れが、すべて吐き出せ
て、「ヨキカナー」と笑いながら天に         
昇って行くときのあの翁の面が、
とてもインパクトが強く残っていま
。だから、面を付けていると無
表情と言いながらもやはり、表情
はあるのだ、その瞬間は、手先の
動きや近くから見ると、表現者の
息使いまで含まれてます。

                             
品川神社の春祭りや秋祭りで見る          
神への奉納の舞に出てくる、お面
や、最近の余興で人気の大黒舞
の面にも、表情があり、その表情
は、動作、所作に連動している
のだと思います。

その面を見ることにより、非日常
となる、そして役柄にはその面が、
役者自身がかわろうとも、先祖、
先輩が付けてきた面、中の人間
役者が変わろうとも演技は伝統
を引き継ぐところに、神秘があり           
その面を代々つけるところに
良さが染み渡ります。

直接顔に付ける面だから、
役者として、伝統芸の練習を
繰り返しされるのだと思います
是非とも次世代に繋げて欲しい
舞、面である。


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