2014年8月25日月曜日

日本の美しい『言霊』

先日、易経の先生に教えて頂いた。   

「井上毅(いのうえこわし)
という方
ご存知ですか?」

この井上先生という方は、伊藤博文
のブレーンとして活躍し、大日本
帝国憲法の起草に参加され、
教育勅語の原案起草
された方です。

そして、井上先生のもっとも注目すべき研究内容は、『古事記』における
「しらす」と「うしはく」の区別に着目、のちに「しらす」の統治理念を
研究された事です。

古事記の国譲りの話に出てくる、一説に、「大國主神が『うしはける』
この地」と、「天照大神の御子が本来ならば『しらす』国である」
という話。また、天照大神や歴代天皇に関わるところでは、すべて
「治める」と言う意味で「しらす」という言葉が使われ、大国主神を
はじめとする一般の豪族たちのところでは「うしはく」と言う言葉が
同様な意味で、厳密に使い分けられていることが分かった。

「うしはく」と「しらす」はどこが違うのか?
「うしはく」というのは西洋で「支配する」という意味で使われている言葉と
同じである。すなわち、日本では豪族が私物化した土地を、権力をもって
支配するというような場合にこれが使われる。

それに対して「しらす」の意味は、同じ治めるという
意味でもまったく違う。「しらす」は「知る」を語源に
しており、天皇はまず民の心、すなわち国民の
喜びや悲しみ、願い。あるいは神々の心を知り、
それをそのまま鏡に映すように、わが心に写し
取って、それと自己を同一化しようとされるという
意味である

感動です。この「しらす」という言葉、言葉の想い
『言霊』は、すごく深く、美しい!

祝詞の中にも、大切な祝詞「大祓詞」や「伊勢内宮神前祝詞」の中には
この「しらす」が、出てきます。「大祓詞」の祝詞の中には、
「我が皇御孫命は、豊葦原の瑞穂の国を安国と平けく知食せ、、」
と祝詞文面の中に、「知らしめせ」と出てきます。
国体が、国家を治める際に使われる言葉、「しらす」。美しい言葉です。

「支那(中国)、ヨーロッパでは一人の豪傑がおって、
多くの土地を占領し、一つの政府を立てて支配し、
その征服の結果をもって国家の釈義(意味)
となるべきも、御国(日本国)の天日嗣・あまつひつぎ
(天皇)の大御業(なさってこられたこと)の源は、
皇祖の御心の鏡をもて天が下の民草を
しろしめすという意義より成り立ちたるものなり

天照大御神は、ニニギノミコトが地上に降臨されるときに鏡を授けて、
「これを見ることは、わが心を見るがごとくせよ」とおっしゃった、
それは、神の心を知るということだ、その鏡を磨き上げて、にごりない心で
常に神の心・民の心を知るということが天皇にとって最も大切なことである。

こうした精神をもって歴代天皇はこの国を
「しろしめして(治めて)」こられたのだ。

日本人に生まれてきて良かった、こんなに深く想いを持つ言葉を
歴代の国体は築き上げてこられたのかと思うと、身が震える程で
あります。 この美しい言葉や想いを後世に伝えるのが、私達の大切
な使命になります。 




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