昨日の易経の勉強は、六十四卦の中、
11番目に出てくる、『地天泰』
この卦は、天と地ちょうど、神道で言う
天津神と国津神の押し問答のような
卦で好きだ。
さらに、弟の名「泰三」の泰でもある、
なかなか意味が深く味わう卦である。
泰三は、特に、「三」の字が、さらに
天を表す卦で、地天天の名前と感じ
るから、好きなのかもしれない。
本来この八卦の天は上に上がるもの
地は、下に下がるもの。なので、この
上に地、下に天があるのは、それぞれ
の性質が、作用して、交わる。天と地が交わる。陰陽交わる、それゆえ、何事も
宜しくて、すらっと通る。「吉」である。その「吉」に「三」の天が加わるから
あいつは、「泰三=天吉=大吉」なんやろうーーと14年も離れた弟
の幼い頃からを思い出す。大吉な男だった。それなりに努力は繰り返してきた、
努力を継続できて、形にして来た男だ。
易経に話を戻す。地天泰のこの卦は、今書いたように、古事記に出てくる、
陰陽が交わる場面では、ちょうど天孫降臨、国譲りの場面ではないかと思う
天地が交わり、萬物(ばんぶつ)が生成(せいせい)
発展するのである。君徳(くんとく)が民(たみ)に
普(あまね)く行きわたり、民の意志が君に通じて
君民(くんみん)志を同じくして天下泰平となる。
内面(うちがわ)=下の卦は、君子(乾)の徳を備え
て、外面にその光を現さない。内面に剛健な志を
抱き、外側は柔順に人に接する。
そして、易経の卦の一つは、六の爻(こう)で構成されておりそれが起承転結
のストーリーを作っている。
地天泰は、陰陽の交わりで安泰するが、やがて陰陽消長の原理として、
安定から変化していく。その変化の前、
安定の絶頂期に『平常心』を持ちなさいと
叱咤する文章が、ある。それを紹介したいと思う。
无平不陂、无往不復。艱貞无咎。
勿恤其孚。于食有福。
平らかにして陂(かたむ)かざる无(な)く、往(ゆ)きて復(かえ)らざる无(な)し。
艱貞(かんてい)なれば咎(とが)无(な)し。恤(うれ)うる勿(なか)れ、其(そ)れ
孚(まこと)あれ。食に于(おい)て福(さいわい)有り。
<訳>
安定した状態が永続することはなく、行ったきり帰らないことはない。
幾久しく安泰の時が続くと思い安逸に流されてはなら
ない。天下国家に思いを馳せ艱難(かんなん)を乗り
越えて正しい道を固く守れば、咎められるような過失
は免れる。憂えることなく、至誠を尽くせ。
天から福を授かるであろう。
いやーほれぼれする味のある言葉である。『至誠』を尽くせ!
やはり仕事は、生き様は、至誠である。
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