2014年2月5日水曜日

自分の神棚

自分の神棚を持つと言う事は、私にとっては、親から独立して独り立ちすることだった。
結婚をして、家内と二人東京に住居を構える時に、初めて神棚を設置した。


当時は、祖父の時代から続く、父が社長として営む紳士服アパレルの会社の東京店の上を改装して、新居を構えた。2LDKの間取りに、客間として造った和室に自分の神棚を作った。棚自身は、東向きになるように工務店の方に壁に棚を作ってもらった。神棚自身は、昔、父の会社で使っていた古い神棚を貰い受け設置した。結婚して新居を構えたこと、親から独立して家族を持ち、そしてなにより自分の神棚を持てたことが嬉しかった。


神棚自身の御魂入れは、知り合いの神職にお願いした。
真ん中に、天照御大神
右側に、氏神様の鳥越神社(当時は、台東区台東に新居を構えた、鳥越神社のすぐ近く)
左側に、奈良の大神神社(三輪さん)
そして、神棚の外にはなるが、小さい時からの守り神、伊勢の猿田彦神社、
大阪の住吉大社、香川の金刀比羅神社、鎌倉の鶴岡八幡宮、のお札をお祀りした。


当時の私の師匠神職には、一日と十五日は、この祝詞をあげなさいと祝詞全集を頂いた
祓詞
六根清浄大祓
大祓詞
月並祭
家業繁栄祈願詞
祈念祝詞
伊勢内宮神前祝詞
稲荷大神秘文
仏説聖不動経
龍神祝詞
般若波羅蜜多心経
以上を毎月一日と十五日には、奉上した。そして、自分の神棚が持てた私は、嬉しくて毎日これらの祝詞をあげた。


自分の神棚を持ち一番良かったのは、自分が自分自身に問いかけて向き合う時間が持てたことである。 会社の事から、人生の事、夫婦の事、子供の事、すべて悩んだ時は一人神棚に向かい正座をして、時にはあぐらをかいて、長い時間過ごす。すると、決断すること、悩んでいることすべてが自分の中で解決できていくのである。


そんな時に思うのは、神棚にあるあの鏡である、古事記にも出てくる
天照御大神が、天孫降臨の際
「ニニギノミコトよ、あなたは、この鏡をわたくしの魂(たましい)だと思って、
わたしを拝むように、これを大切にお祀りしなさい。」
と渡された鏡と同じように、、神棚には、鏡があり、そこに向かい自問自答や祈念を込めていくこと、また感謝をすることが、大切なこと、これは、目には見えないが、蓄積される。神社に行くと、もっと大きな鏡があり、もっと長い年月、沢山の人々が念を入れ感謝の気持ちを伝えてきたんだろうなと考える。


祝詞の意味に興味を持ち、祝詞をあげることが日課となり、神棚の水を変えないと、朝食を食べることが出来なくなり、今年で15年。
神棚は、自分に向かう場所であり、自分の念を歴史として蓄積することができる場所。
自分と向き合える場所。 これからも大切に大切に向き合っていきたい。

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