吉祥文様の中でも私の好きなのは
「花ぐるま」。綺麗な花を積んだもの
を牛車に乗せているのが、とても
雅に思います。
「花ぐるま」の文様を調べてみると
平安時代の貴族たちが乗っていた
牛車に花を積んだ美しい花車を
模様にしている。四季の花々を
描いているので、季節を問わずに
振袖や色打掛の文様に使われる。
よく似た車の文様としては、御所車
がある。「御所車」の文様は、京都
御所の周辺で使われた貴族の乗り
物、古典的な雅な文様として用いら
れる。御所車の車輪をデザイン化
した文様を『源氏車』と呼び、独立
して使われる。
日本のキモノの歴史をひもとくと、その源は小袖
(こそで)にたどりつく。小袖は平安時代の頃、宮
中に仕えていた者たちの装束の1つで、表衣の
下に着ける下着的性質のものだった。それが
現在でいう小袖の形に定着したのは室町時代
前期の頃。 日本の染織品に見られ
る文様そのものは、時代をさか
のぼり、飛鳥・奈良時代に源を
求めることができる。
その時代の違例は、正倉院や法隆寺に伝えられ
ているが、染織品はいたみやすく、実物が残って
いるものは少ない。しかし、伝統的な文様としては、
漆器・陶器・金属品、その他の工芸や絵画に見ら
れ、それらをもとに伝統的な文様が現代に受け継
がれてる。
正倉院や東大寺に収められている工芸品に見られる古典的な文様は、もともと中国から渡来したものが中心となります。亀甲(きっこう)・七宝(しっぽう)・鶴(つる)・宝相華(ほうそうげ)・鳳凰(ほうおう)・孔雀(くじゃく)・鴛鴦(おしどり)・鴨など多様です。
現在では、すっかり日本の文化に定着をしていて、日本独特の文様になっている。
平安時代中期(894年)、菅原道真の意見により遣唐使船は廃止された。そして、中国模倣から解放された日本には、貴族を中心とした日本独自の文化を完成させた。この新しい文化を和洋文化といい、純粋な日本文化の起源になる。
平安時代は女性的な文化の時代といわれ、染織の世界でも女性達が競って美しい染織品をつくり出した。「十二単」に表れている四季折々の草花の色彩の変化、そのハーモニー(重ねの色目)は、日本の自然からしか生まれてこないものといえる。
平安時代以降の文様として、この花ぐるまは、日本の貴族文化の中から生活の中から
出てきた美しい文様。着物の文様から日本の歴史や文化の流れが見えるのは楽しい。
しかし、長い着物の歴史は、勉強を深める必要がある。
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