先週のお客様で、神社で結婚式したいのですが、
私(新郎)自身が、47歳なので、父が70歳、祖母が
94歳で、出来たら移動したくないのです。
先日、家を建てた際に、良くして頂いた友人の
神主さんに結婚式をしてもらいたいのですが、
遠方なので、道具をお借りできませんか?
とご相談の連絡を頂きました。
あまりにも情熱的な方で、どうにかしたい
と言う気もちが、伝わってきたので、
一度、店舗に来てください、何が必要で、
何をご用意したらよいのか、相談しましょう。
すごく、オリジナルなご相談でした。
そこで、お話をお聞きして、これは、ご友人の
神主さんのご奉仕されている神社からお持ち
頂きましょう、これは、お花屋さんで、榊を用意
して、もらい、神職のかたに、レストランの式場
で神籬(ヒモロギ)を作成してもらいましょう。
と、その方のご友人の神主様にも電話をさせて
頂き、ご協力できる範囲でさせて頂くことに
なりました。
この神籬(ヒモロギ)が、 今日のテーマです。
ここで、大昔の神社の形はどうだったかを
考えてみましょう。 現代の普通神社と言え
ば鳥居があり、拝殿・本殿と社殿を
思い出します。太古の時代は、どうか?
古くは、樹木や岩石に神霊を招き、これを
祭る形式がとられていました。
あるいは、神霊が宿ると信じられた森や山を
そのまま祭祀の対象としていました。
『日本書紀』に、高皇産霊尊(たかみむすひのみこと)
の神勅として
われは天津神籬と天津磐境を起し樹てて、
まさに吾孫のために斎ひ奉らむ。汝、天児屋命・太玉命は、
天津神籬を持ちて、葦原の中つ国に降りて、また吾孫のために斎ひ奉れ。
と見えている。
神籬とは、祭祀のために臨時に設けられた施設で、その語義は、ヒは霊力、モロは
モリ(森・杜)の古形とされている。 キは木とか城(まわりに垣をめぐらして、内と外を
区切った所)などとする説もあります。
また、神霊の来臨を仰ぐ依代のうち、樹木やその枝について神籬と呼んでいる。
これに対して、磐境(いわさか)とは、神霊を招くために岩石などによって設けられた
祭場をいう。神霊の依代そのものとさrた岩石のことは、磐座(いわくら)と呼ぶ。
⇒ 福岡県宗像市の玄界灘に浮かぶ沖の島には宗像大社の沖津宮が鎮座しているが、
この島の岩の上や周囲などから古代の祭祀の遺物が数多く発見され、まさに磐座の実例。
神社の源流に関わるものとして、神奈備(かんなび)をあげることができる。神奈備は、神霊の
鎮まる場所で、とくに神聖な森や山をさす。
⇒ 『万葉集』では奈良県桜井市の三輪山をご神体とする大神神社や神木を拝する
長野県の諏訪大社などがあげられる。
日本人が自然の中に神、八百万の神を感じ、尊敬し、
畏怖し、大切にしてきた美しい精神。
そして、神に宿って頂き、願いを誓う対象として、
神籬や磐境、神奈備が必要だった。
これら神籬などを作り出した昔の日本人は、本当に
すごいと尊敬します。
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