2014年7月21日月曜日

武士社会での神社

貞永元年(1232年)8月、鎌倉    
幕府は、初代将軍源頼朝以来
の幕府政治の原則を法令化して
『御成敗式目』として定めた。

武士の世の中に成るまで、神社
の収入源として、荘園制度が
あり、地域の土地産物より神社
の収入をえていたが、戦国の世
になり、武士に領地を管理され
てしまった、神社は、上記のよう
な、武士が作った、法律で守ら
れていた。

『御成敗式目』は、従来公家の法律だった律令を、武士の習慣や実態に
あわせて作ったものになり、その後室町時代・戦国時代・江戸時代と長く武士
の法律の手本となった。

この『御成敗式目』の第一条には、神社についての項目が、出てくる、
とても興味深く、レポートします。

第一条
神社を修理し祭祀を専にすべきこと
神は人の敬によりて威を増し、
人は神の徳によりて運を添ふ。
しかれば則ち恒例の祭祀は陵夷いたさず、如在の礼典は怠慢せしむ
なかれ。これによりて、関東御分の国々ならびに庄園においては、
地頭神主等おのおのその趣を有し、精誠いたすべきなり。
かねてまた、有封の社にありては、代々の符にまかせ、小破の時は
よろしく修理を加へ、もし大破に及べば仔細を言上せしめ、その
左右にしたがひ、その沙汰あるべきなり。

<現代訳>
神は敬うことによって霊験(れいげん)
あらたかになる。
神社を修理してお祭りを盛んにすることはとても大切なことである。
そうすることによって人々が幸せになるからである。
また、供物は絶やさず、昔からの祭りや慣習をおろそかにしてはならない。
関東御分国(かんとうぶんごく)にある国衙領(こくがりょう)荘園の地頭と
神主はこのことをよく理解しなければならない。神社を修理する際に
領地を持つ神社は小さな修理は自分たちで行い、手に負えない
大きなものは幕府に報告をすること。内容を調べた上で良い方法をとる。

第一の項目にこの神社を祭祀することが、挙げられている事は、とても
大切に感じます。『御成敗式目』と言う、武士社会においての法律において、
一番最初に出てくる、神仏を大切にすることが、国の人々が幸せに成る道
と説いている。

残りの項目も合わせて51条になる。そこには、道徳や教育、家族、裁判、
刑法、所領の扱いまで、幅広く、争いごとが少しでもなくなるように
作り上げられています。

「神は、人の敬によって威を増す。」 そして「人は、神の徳によって運を添える。」
人の敬、それは、日々の祭祀の継続による。
『礼法』に書かれているように、礼には、至誠が必要です。誠の心を持ち、
祈り、手を合わること、朝一番に手を合わせ、一日の終わりにまた、手を合わす
感謝すること。
『至誠の心の礼』が敬うことに繋がります。

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