2013年9月20日金曜日

祓い詞

祓い詞

掛介麻久母畏伎伊邪那岐大神筑紫乃日向乃橘乃小戸乃阿波岐原爾
禊祓閉給比志時爾生里坐世留祓戸乃大神等諸乃禍事罪穢有良牟乎婆祓閉給比清米給閉登白須事乎聞食世登恐美恐美母白須

掛けまくも畏き伊邪那岐の大神、筑紫の日向の橘の小戸の檍原に禊ぎ祓へ給ひし時に、生りませる祓戸の大神たち、
諸々の禍事罪・穢有らむをば、祓へ給ひ清め給へと申す事を聞こし食せと、恐み恐みも白す。

心に思うにも恐れ多い伊邪那岐の大神が、筑紫の日向の橘の
小戸の檍原で禊・祓なさった時に生まれ出でなさった祓戸の
大神たち、種々の災い・罪・穢れがあろうことを、祓い
なさり清めなさいませと申すことをお聞き届けなさいませと、
恐れ謹んで申し上げます。

一番上が、宣命体と言い、漢字の音と訓で表記する。
名詞や動詞の語幹には表意文字としての漢字(大字)を使い、
活用語尾・助動詞・助詞などには万葉仮名(小字)を用いる
このパソコン上では、大字、小字が分けられないのが
残念。

二番目が、読みやすく書きかえたもので、三番目が、
現代語訳となります。

祓詞は、祭に先立って行う。「修祓」のおりに唱える祝詞。
内容は、日本民族の祖神である伊邪那岐命の后神伊邪那美命が
火の神をお生みになり、火傷によって神去りなさった(おかくれになった)
そこで伊邪那岐命は黄泉の国(亡くなった人の世界)を訪問された。
しかし后神のなきがらを見て逃げ帰られ、「穢れた所に行って来たので
禊祓をしよう」とおっしゃって、「筑紫の日向の檍原」で禊祓を
なさった、という神話に基づいている。

「祓」は神社信仰の神髄であり、この簡潔な祓詞を唱えることで
神々によって清めていただくのである。
禊は更新の効果をもたらし、活力の源ともなる。




 

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