2014年5月10日土曜日

孚(まこと)と啐啄同時(そったくどうじ)

昨日の易経の勉強で、孚(まこと)       
と言う字を勉強した。これは、この
漢字の形が、表すように、上が、
爪、下が、子を表します。
親鳥の爪が、子=卵を温めている
雛は、自分一人では、孵化(ふか)
が、出来ません、ここに親子の心、
誠=まことの心が、必要なのです。
それで孚は、まことと読む。

この孚(まこと)の言葉、易経では
非常に困難で苦しい時の物語で
その苦しい中でも、自分自身の心
の中の孚、使命、志をしっかりと
以て、ぶれることなく、貫けば、必ず
その苦しい時期は、乗り越えることができる。 その苦しさを乗り越えることが
できた心は、一皮むけて、一回り大きくなる。その心の孚の話でした。
 
卵から、ひなが、生まれると言う、神秘の瞬間。親鳥と雛の互いを思う、
誠の心。この孵化の瞬間を表した、「啐啄同時」という禅語があります。

啐啄同時とは、鶏の雛が卵から産まれ出ようとするとき、殻の中から
子が、卵の殻をつついて音をたてます。これを「啐」と言います。
そのとき、すかさず親鳥が外から殻をついばんで破る、これを「啄」
と言います。そしてこの「啐」と「啄」が同時であってはじめて、
殻が破れて雛が産まれるわけです。

これを「啐啄同時」と言います。これは鶏に限らず、師匠と弟子。
親と子の関係にも学ぶべき大切な言葉です。

けっして、早すぎる事無く、遅すぎることもない、瞬間。
その瞬間は、親子のまことの心が通じる瞬間。 師匠と弟子の間で、
弟子が悟りをひらく瞬間、それぞれの心の孚が通じる時です。

孚(まこと)という、自然の中の現象から生まれているこの漢字、
一文字であるが、学ぶことがあります。

 

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